最高裁判所第二小法廷 昭和43(あ)1877 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人本人の上告趣意および弁護人梅津芳三、同石川勲蔵の上告趣意(補充書も
含む)は、いずれも、事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条
の上告理由にあたらない(原判決の是認した第一審判決が証拠として挙示する司法
巡査作成の写真報告書添付のA所有車の被害状況と付記された写真(記録二七丁表
上段)によれば、本件被害車両の損壊された右側バツクミラーの脚部は車体に残存
している事実がうかがわれ、この事実は、前記判決の挙示する押収にかかるバツク
ミラーの形状、および証人B、同Cの各証言とも合致し、本件バツクミラーはその
鏡面のみがもぎ取られたものと推認される。しかるに原判決が右バツクミラーは脚
部諸共にその根元からもぎ取られたものと認定したのは、被害物件に関して事実を
誤認したものというべきである。しかし、右誤認は本件器物損壊罪の成否には影響
を及ぼさないうえ、本件バツクミラーはその鏡面のみをもぎ取つた場合にも、相当
の金属音を発するものと推認されるから、金属音を聞いて窓を開け、被告人を目撃
したという証人Dの証言の信憑力に直ちに影響を及ぼすものとも認められない。そ
うすると、原判決の右誤認は、いまだ判決に影響を及ぼさないものというべきであ
る。)。
よつて、刑訴法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で主文のとお
り判決する。
検察官 冨田正典 公判出席
昭和四五年三月一三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 草 鹿 浅 之 介
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裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 色 川 幸 太 郎
裁判官 村 上 朝 一
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